村上宗隆が復活の兆し──打球データが示す“本来の姿”の帰還
投稿日 2025年11月17日 10:34:53 (コラム)
ここ数年、圧倒的な存在感でプロ野球界を牽引してきた村上宗隆。とはいえ昨季は思うように数字が伸びず、ファンの間でも「本調子ではない」という声が囁かれていました。しかし今季、彼のバットから放たれる打球を見ていると、確実に“復活の気配”を感じるんです。あなたもそう思いませんか? 一度沈んだ怪物が、またゆっくりと地面を揺らし始めている──そんな手応えがあります。
村上の復調を示す最もわかりやすい材料が **打球速度と打球角度の改善** です。昨季は平均打球速度が微妙に落ち、特にインコースの球に差し込まれる場面が目立ちました。しかし今季は逆に、インコースをものの見事にさばく場面が増えています。打球速度は昨年より数キロ上昇し、彼本来の弾道──“ライナー系の弾丸”──が戻ってきました。
さらに変化したのは **メカニックの安定感**。体の開きが早かった時期に比べると、下半身主導でスイングできており、フォロースルーも大きく、まるで2022年のホームラン量産時のようなフォームに近づいています。ベンチからも「打ちにいく姿勢が良くなった」という声が上がっており、精神面でも余裕が戻ってきた印象です。
とはいえ、村上の復活には“もう一段階の鍵”があります。それは **配球の読みと対応力の深化** です。相手バッテリーは、昨季の弱点であった外角低めへの変化球で村上を崩そうと試みています。しかし今季の村上は、その外角球に対して無理に引っ張らず、センターから逆方向に打ち返す姿勢が顕著です。
この「逆方向への強い打球」が増えると、相手投手は投げる球の選択肢が減り、インコースへのストレートが甘くなります。すると村上の得意なゾーンでの勝負が増え、ホームランの量産につながる。つまり彼の復活は技術だけではなく、“打席内の戦略”によって支えられているわけです。
さらにチーム全体を見ると、ヤクルトは若手の台頭もあり、打線へのプレッシャーが分散。村上が「打たなきゃいけない」状況が減ったことも大きいでしょう。いい意味で肩の力が抜けたことで、バッティングの安定感に直結しています。
もちろん、まだシーズンの途中。相手球団も研究してくるでしょうし、コンディションの波もあるでしょう。それでも、今の村上宗隆には確かな“上昇曲線”が見えています。打球の質、打席での落ち着き、チーム環境……すべてが良い方向に向かっている。
ファンとしては、2022年のように量産体制に入る日を夢見てしまいますよね。いや、むしろ今年の村上は、あの時とは違う“成熟した打者”として、さらに新しい景色を見せてくれるかもしれません。復活では終わらない、進化した村上宗隆。その物語がどんな形で続いていくのか、これからも一緒に追いかけていきましょう。